教養教育とは単なる学問の積み重ねではなく、個人の社会化最初の光である。『天火同人』卦(☰/☲)において、「火」は文明と光明を象徴し、公共領域を表す「天」の下で運行する。これは個人が私的な領域から踏み出し、「他者を助ける善意」を持って広く人々とつながることを意味し、儒教の『大同思想』への初歩的な実践である。
核となる社会化の段階
- 初九:門外に人と結ぶ:『社会に出たばかり』の若者が家という私的な領域を出て、外部に踏み出すことを象徴する。象曰:「門を出る人と結ぶならば、誰が責められるだろうか。」この偏見のない広範な交流は、教養教育における市民性の核心である。
- 九五:志が同じく、同志:『聖人』の情操を持つリーダーは、柔軟な指導と思いやりによって人々の心を一つにするべきだ。『先に泣き、後に笑う』という苦難を経ても、最終的に『天に順い、人に応える』ことで、革命的な共感を築くことができる。
- 九三:権力心理:社会化の過程では競争と疑念が避けられない。九三の爻辞は『草木の中に兵を隠す』と述べており、九五の強さに対し反逆の気持ちを持つが、敢えて行動できない状態を描写している。これにより我々に『動かずして静かに待つことのほうがよい』という教えを思い出させる。適切な時期を見極め、道徳的な自己反省を続ける必要がある。
『私』から『私たち』へ
個人が同郷の旧友とのみ交流する(同人于宗)のではなく、積極的に多分野の公共活動に参加するようになると、私的利益から集団の福祉への変化のプロセスが開始される。この変化はスキルの習得を超えたものであり、『貴人に多く助けてもらえる』というあり方を目指すためである。
視覚的イメージ:大同の火
夜間に篝火の周りで集団で踊る壮大な情景を想像してみてください(参照:P164)。火(離卦)が夜空(乾卦)の下で人々を結びつけているのは、『志が同じく、同志』と『大同思想』の最も生々しい視覚的表現である。安楽なときでも、『諸侯を立て、軍隊を進める』ための準備を忘れてはならない。